コバルトそのものを大量に保有するほか、コンゴ以外のコバルト権益に投資している会社です。
コバルトはほぼすべてが銅やニッケルの副産物として生産されるため専業の会社がほとんどありません。また、コバルトの過半数がカントリーリスクの高いコンゴから産出されているという問題もあります。
コバルト27はコバルト専業でありながらカントリーリスクの比較的少ない銘柄になります。
コバルトの保有
2905.7トンのコバルトを保有しています。プレゼンテーション資料によると2018年10月31日の時価で285.6百万カナダドルとのことです。現在のコバルト27の時価総額は500百万カナダドルです。
※マウントマリオンの権益取得に伴いコバルト200MTを引き渡すことを1月9日に発表しています。
ストリーミング&ロイヤルティ契約
13プロジェクトのストリーミング&ロイヤルティ契約を持ちます。
このうちすでに生産を行っているのが Voisey's Bay と Ramu です。その他のプロジェクトは開発中の段階です。
・Voisey's Bay
カナダに位置するニッケル・銅・コバルトプロジェクトです。ヴァーレが運営しており、2017年はニッケル52Kt、銅34Kt、コバルト1.8Ktを生産しました。
プロジェクトは地下への拡張を計画しており、コバルト27とのストリーミング契約も資金調達の一環です。拡張によって鉱山寿命は15年以上伸びるそうです。
ストリーミング契約は、2021年以降のコバルト生産量の32.6%(10.8Ktの購入後は16.3%)を Metal Bulletin 発表価格の18%(一時金の額に達したあとは22%)で購入できるという内容です。コバルト27は契約の一時金として300百万ドルを支払っています。
ヴァーレの見通しによると、地下からのコバルトの生産は2021年~2024年が年間1.8Kt、それ以後は2.6Ktになるそうです。
・Ramu
パプアニューギニアのニッケル・コバルトプロジェクトです。2017年はニッケル34.7Kt、コバルト3.3Ktを生産しました。
ストリーミング契約は、2023年6月30日以降のハイランド・パシフィックの持分(8.56%ですがパートナーに負債を返済すると11.3%に上がるとのこと)の55%のコバルトと27.5%のニッケルをコバルト4ドル・ニッケル1ドルで購入できるという内容です。一時金は113百万ドルです。
コバルト27は年間204tのコバルトと1,020tのニッケルを受ける取ることになる見通しです。
※1月1日にハイランド・パシフィックの買収を発表しました。
Resource World Magazine » Cobalt 27 acquires Highlands Pacific for $96 million
直接投資
ハイランド・パシフィック(HIG.AX)の株式13%を持ちます。ハイランド・パシフィックの現在の時価総額は109百万AUドルです。
※2019年1月1日にハイランド・パシフィックの全株式を買収することを発表しました。買収価格は115百万ドル(1株あたり0.105Aドル)です。
バランスシート
2018年6月の段階ですが、バランスシートの資産にはキャッシュ52.9百万ドル、ロイヤルティ契約15百万ドル、ストリーミング契約303百万ドルがあります。有利子負債はゼロ、負債総額は25百万ドルです。
感想
保有するコバルトの価値と Voisey's Bay への一時金を合わせると時価総額を超えるので割高ではなさそうです。ただ、株価が今後どうなるかはコバルト価格次第だと思います。