各国株価のトレンドとバリュエーション 2018年3月末

3月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。

 

・株価データはMSCI、CAPEやPERはStarCapital、為替はIMFみずほ銀行より取得しています。

・株価チャートは2007年末を100として作成しています。月足・配当込み・現地通貨ベースです。

・取得したCAPE・PER・配当利回りは2月末の数字なので、MSCIの2-3月の騰落率で調整しています。

 

先進国と新興国

第1四半期の株価は先進国がやや下げ、新興国がやや上げています。ただ、大きく円高に振れたため、円ベースでは先進国-7.2%、新興国-4.8%というマイナスリターンです。

直近1年間のリターンは先進国+14%に対して、新興国+25%と新興国優位が続いています。円ベースだと先進国+7%、新興国+18%です。

バリュエーションを見ると、新興国のCAPEレシオやPERは先進国に比べて割安です。ただ、先進国もPERは18.5倍と20倍以下に下がっています。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
全世界 23.7 17.9 2.4% -0.8% -6.9% 15.4% 8.3%
先進国 24.8 18.5 2.5% -1.2% -7.2% 14.2% 7.2%
新興国 17.3 15.1 3.0% 1.5% -4.8% 25.4% 17.6%

 

米・日・欧

第1四半期のリターンはアメリカが-0.6%、日本とヨーロッパは-4~5%でした。円ベースではアメリカとヨーロッパは-6~7%と日本より悪くなります。

直近1年間のリターンは日本とアメリカが+14~15%で、ヨーロッパは+2.6%と低いです。円ベースでは日本が最も高く+15%、続いてヨーロッパの+11%、アメリカは最も悪く+7%です。

バリュエーションは、CAPEレシオと配当利回りから見るとヨーロッパが最も割安、PERだと日本が低いです。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
アメリカ 30.0 22.0 1.9% -0.6% -6.7% 14.0% 7.0%
日本 27.3 14.7 1.9% -4.7% -4.7% 14.6% 14.6%
ヨーロッパ 18.4 17.6 3.3% -4.2% -6.2%

2.6%

11.2%

 

BRICs

第1四半期はブラジルとロシアが強い一方でインドがマイナスリターンでした。円ベースではブラジルとロシアのリターンは+5~6%に落ち、インドは-12%と2桁台の下落となります。インドの弱さが目立ちます。

バリュエーションはロシアの割安さが際立っています。CAPEもPERも低く、配当利回りも申し分ない数字です。中国のPERも8.5倍と低いです。ブラジルは株価がかなり上げたことから以前の割安感は薄れています。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
中国 18.5 8.5 3.5% 2.1% 0.1% 40.2% 43.4%
インド 21.7 24.4 1.4% -4.9% -11.9% 10.7% 4.9%
ブラジル 14.3 19.8 2.9% 12.7% 6.0% 32.7% 19.6%
ロシア 6.4 7.8 4.9% 9.3% 5.3% 23.8% 18.0%

 

今年の損益

各国指数の前年末比の損益です。

 

現地通貨ベースではベトナム、パキスタンが大きく値上がりしており、続いてブラジルとロシアです。値上がり上位にはマイナーな新興国が多い印象を受けます。

日本は-4.7%で下位グループになります。他の主要国は、アメリカ-0.6%、ヨーロッパ-4.2%、先進国-1.2%、新興国+1.5%でした。日・欧がやや大きく下げていますが、全体的には前年末とそれほど変わらずということになりそうです。

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一方で円ベースで見ると、ほぼ全面的な円高だったためマイナスリターンの国が増えます。プラスリターンの国はブラジルやロシアなど数えるほどです。

日本の-4.7%は主要国のなかでは高い方で、他の主要国は新興国-4.8%、ヨーロッパ-6.2%、アメリカ-6.7%、先進国-7.2%となっています。

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※ベトナム、パキスタン、バングラディシュは為替データがないため円ベースのリターンはありません。