リチウム大手2社の決算が出ました。
アルベマール
売上+15%の増収、調整EBITDA+17%の増益でした。米国の税制改正の影響で純利益は大幅減益となっています。
2018年のガイダンスは売上3.2~3.4十億ドル、調整EBITDA955~1,005百万ドル、希薄化EPS5~5.3ドルです。
単純計算の予想PERは18~19倍になりますが、EPSにはポリオレフィン関連ビジネスの売却が入るとのことです。
(百万ドル) | 2016 | 2017 |
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売上 | 2,677 | 3,071 |
営業利益 | 574 | 587 |
調整EBITDA | 758 | 885 |
税前利益 | 515 | 446 |
純利益 | 643 | 54 |
希薄化EPS | 3.90 | 0.49 |
リチウムセグメントを見ると、2017年は前年比で売上+35%の増収、調整EBITDA+43%の増益でした。全体への比率は売上43%、調整EBITDA59%となります。
2018年の販売量は10,000トン(LCE)の増加という見通しです。
今後の拡張計画ですが、Wave1として現在の生産キャパシティ89,000トン(LCE)を2021年に165,000トンまで増加させるとのことです。また、Wave2として2020年代の早いうちにさらに100,000トンの追加を計画しています。
リチウムマーケットについてのメモです。
・EVの市場シェアは2025年に12%を予想。リチウムの年間需要は800,000トン(LCE)となる。年間成長率は18%。
・今後5年は年間70,000トンの需要増加を想定(以前の35,000トンから上方修正)。
・2018年のリチウム価格は2017年比で1ケタ台後半の伸びになると予想。
・少なくとも2021年までは需給は均衡する。それ以後もタイトな状況が続くと考える。
SQM
売上+11%の増収、純益+54%の増益でした。実績PERは29.3倍になります。
(百万ドル) | 2016 | 2017 |
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売上高 | 1,939 | 2,157 |
粗利益 | 611 | 763 |
税前利益 | 415 | 595 |
純利益 | 278 | 428 |
EPS | 1.06 | 1.63 |
セグメント別ではリチウムセグメントが全体の売上の30%、粗利益の60%を占めます。
2017年のリチウム(LCE)販売量は49.7ktLCEで前年と同じでした。2018年は5,000トンの増加という見通しです。
生産キャパシティは2018年に70,000トン、2019年に100,000トンに拡大する予定です。マーケットシェア25%が目標ということで、2019年以降はマーケットを見て判断するそうです。
リチウムマーケットについてのメモです。
・今後数年の成長率は18%。
・今年の需要増加は50,000トン(LCE)と考える。
・2018年のリチウム価格は上半期が強く、下半期に安定もしくはやや下落、通年では2017年よりも上がることを想定。
・需給がタイトな状況は今年中には解決できない。2019年以降の価格を予想するのに正確な情報を持っていない。
・これまでのリチウムプロジェクトの実績は良くない。時間が長くかかるプロジェクトあれば、実現しないプロジェクトもある。