リチウム銘柄ニュース

ここ最近に発表されたリチウム銘柄関連のニュースです。

 

SQM

1月18日にCorfo(チリの産業振興公社)との新たなライセンス契約に合意しました。

衝撃的だったのが現在の年間生産量50~60ktLCEを2025年までに216ktLCEまで拡大できるという点です。2016年の世界のリチウム供給量が170ktLCEくらいなのですごいインパクトです。これを受けて供給過剰懸念からリチウム関連株が激しく売られています。

このニュースについての解説記事をいくつか読んだかぎりでは、まずは短期的(2~3年くらい?)には影響はないという意見が多いです。増産するには新たにプラントを作る必要がありますし、塩湖からリチウムを作るのには1年以上の時間がかかるためです。

一方で中長期的にどうなるかというと意見が分かれそうです。将来的なリチウム需要は非常に大きいのでこれくらいの供給増加は吸収できるという人もいますが、今後のリチウム生産は既存の企業の増産によって賄われ新興企業には厳しくなるという人もいます。

どの意見が正しいのかはわかりませんが、今後のリチウム株についてはリチウム価格次第だと思います。供給過剰懸念でリチウム株が売られるのは去年もありましたが、リチウム価格がじりじりと上げたため株も秋からラリーしました。

今年は新たに Tawana Resource、Altura Mining、Pilbara Minerals が生産を開始する予定です。これによってリチウム価格がどうなるかが注目されると思います。

 

 Orocobre

1月15日に豊田通商が15%の株式を取得することを発表しました。豊田通商はオロコブレが生産している Olaroz プロジェクトのパートナーで25%の権益を持ちます。

資金は Olaroz の生産量拡大に投資されるとのことで、キャパシティを現在の17,500tLCEから42,500tLCEに拡大するとのことです。

 

 Pilbara Minerals

中国の長城汽車からの出資とオフテイク契約を発表しました。自動車会社によるリチウム銘柄への直接投資は初めてです。出資はピルバラの3.47%になるようです。

 

Nemaska Lithium

1月に新しいFSが出ました。

鉱山寿命が27%増加して33年に延長されました。また、税前NPV8%も76%増加して3.3十億カナダドルになりました。リチウム価格の前提は、水酸化リチウム14,000ドル/t、炭酸リチウム11,719ドル/tです。

現在の時価総額は600百万カナダドルです。

 

Lithium Americas

1月25日にニューヨーク証券取引所に重複上場しました(ティッカー : LAC)。アメリカ市場で初となるリチウム専業の会社です。

ただ、リチウムアメリカは他の銘柄と比べても激しく売られており、株価はピークから4割以上も下げています。

 

Lithium X

中国企業のNextViewが1株2.61カナダドルで買収すると発表しています。2月6日に株主の承認を待ちます。

 

Critical Elements

ヘルムAGとの戦略パートナーシップを解消しました。

FSから60日以内にオフテイク契約を結ぶ契約でしたが、これが結ばれませんでした。

 

Bacanora Minerals

12月にFSが出ました。

税後NPV8%は802百万USドルです。年間生産量はステージ1が17.5ktLCE、ステージ2が35ktLCE、生産コスト3,910ドル/t(副産物のクレジットを引いて3,418ドル)、年間EBITDA229百万ドル、ステージ1のCAPEX420百万ドル、ステージ2のCAPEX380百万ドル、LCE価格11,000USドル/tの前提です。

現在の時価総額は248百万カナダドルです。

 

Neo Lithium

1月にPEAが出ました。

税後NPV8%は1.2十億USドルです。年間生産量35ktLCE、採掘寿命20年、生産コスト2,791ドル/t、年間EBITDA310.1百万ドル、CAPEX490.2百万ドル、LCE価格11,760USドル/tの前提です。

現在の時価総額は204百万ドルです。