株式投資のリターンはどれくらいあるのか?

株式投資を始めるにあたっていちばん気になるのは、株を買うことでどれくらいのリターンが得られるかという点だろう。

クレディ・スイスの発行しているグローバル・インベストメント・リターン・イヤーブックがこの疑問に答えてくれる。

このレポートには1900年から現在までの主要23か国の株式、債券、短期債の実質リターン(インフレ調整後のリターン)が掲載されている。

過去116年間(1900年~2016年)と過去50年間(1967年から2016年)の株式の実質リターンをグラフにすると下のようになる。

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まず1900~2016年の期間を見ると、株式の実質年率リターンは、世界5.1%、日本4.2%、アメリカ6.4%、ヨーロッパ4.2%だった。主要国の中で最もリターンが低いのはオーストリアの0.8%、高いのは南アフリカの7.2%となる。

より参考になりそうな1967~2017年の直近50年間では、株式の実質年率リターンは、世界5.3%、日本4.2%、アメリカ5.8%、ヨーロッパ6.1%だった。最もリターンが低いのはイタリアの1.0%、高いのがスウェーデンの9.4%となる。

 

グラフ全体を眺めると多くの国のリターンは、1900~2017年の期間で3~6%くらいの範囲に、1967~2017年の期間で4~7%くらいの範囲に収まる。将来もこのリターンが続く保証はないが、他に判断材料がなければとりあえず今後もこれくらいのリターンを前提に投資計画を立てれば良いと思う。

 

※ただし、ここで取り上げられているのはおおむね経済的に成功した国々の話であることから、リターンを考えるときはもう少し控えめに見積もっても良いかもしれない。

Four centuries of return predictability という論文ではさらに長期(1629年から2014年)のリターンが掲載されていた。あまりに長期すぎて意味があるかは微妙だが。この論文についてはこちらにメモを書いた。