Orocobre(ASX:ORE)

アルゼンチンのオラロス湖でリチウムを生産している会社です。

リチウム銘柄としてはアルベマールやSQMが有名ですが、どちらも専業の会社ではありません。

また、リチウム専業の会社はオーストラリアやカナダの市場に多く上場していますが、そのほとんどは開発の初期段階で生産を開始していません。

オロコブレはリチウム専業かつ生産を開始している数少ない会社です。

 

Salar de Olaroz プロジェクト

旗艦プロジェクトのオラロス湖は2015年にリチウムの生産を開始しました。2008年に開発が始まってから生産までに7年かかっています。

精測&概則資源量(Measured and Indicated Resource)は6.4mtLCEで、寿命は40年以上です。

生産量はフェーズ1が17,500トンですが、フェーズ2により35,000トンまで拡張する計画があります。

プロジェクトのパートナーは豊田通商で、オロコブレの持ち分は66.5%です。

 

その他のプロジェクト

オロコブレが35%の株式を持つアドバンテージ・リチウム(CVE:AAL)とオラロス近郊のカウチャリ・プロジェクトを共同開発をしています。アドバンテージ・リチウムはカナダに上場しています。

その他には子会社でホウ素などを生産しています。

 

業績

2017年6月期の決算が出ています。

・年間生産量は11,862トンLCE(炭酸リチウム換算)、販売量は12,296トンLCEでした。

・平均の販売価格は9,763ドル/トン、生産コストは3,710ドル/トンです。リチウムの値上がりを受けて17年4-6月期の販売価格は10,696ドル/トンまで上がっています。 

・オロコブレ本体の業績(下表の一番右の列)は、売上97.2百万ドル、EBITDA39百万ドル、純益19.4百万ドルでした。資産売却益が14.8百万ドル、減損が8.1百万円ドル含まれています。

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・バランスシートにはキャッシュが54.3百万ドル、短期借入が43.7百万ドル、長期借入が92.2百万ドルあります。

・18年の年間生産量は14,000トンLCEというガイダンスです。

 

バリュエーション

株価は3.89オーストラリアドルで時価総額は818百万オーストラリアドルです(653百万USドル)。

ガイダンスと実績の数字を使い、販売量14,000トン、販売価格11,000ドル、コスト3,710ドル、減価償却と利払い13百万、税率35%で計算すると、利益は31百万ドルになります。PERは21倍で特別な割高感はありません。

販売量をフェーズ2のキャパシティ35,000トンで計算すると利益は97百万ドルでPERは6.7倍となります。この水準になれば非常に割安です。

 

ただし、バリュエーションはリチウム価格によって大きく変わります。リチウム価格を8,000ドルから13,000ドルに変えるとPERも下のように変化します。

生産量 リチウム価格(ドル/トン)
13,000 12,000 11,000 10,000 9,000 8,000
14kt LCE 15.1 17.6 21.0 26.1 34.4 50.4
35kt LCE 5.1 5.8 6.7 8.0 9.7 12.6

 

今後のリチウム価格は需給次第でしょうが、一般的には供給過剰という予想が多いです。

下は会社資料に掲載されていたグラフですが、今後数年でリチウム供給が大幅に増えることがわかります。

ただ、EVのリチウムの使用量は非常に大きいため、普及が想定以上に進んだ場合は供給不足になることもあり得そうです。上のグラフでも2020年時点のEV普及率4.5%のケースで大幅な供給不足になっています。

結局のところ、リチウム価格の先行きは今後のEVの普及率次第と言えそうです。