中国の大手電力会社の一角です。
サーチナでPER4.5倍、配当利回り11%というすごい数字だったので見てみました。華能に限らず中国の電力会社の配当利回りは非常に高いです。
業績はこんな感じです。2011年から売上は微減、利益は増加しています。
利益が伸びているのは石炭価格の下落が大きそうです。売上に占める燃料費は2011年の68%から2015年には46%まで低下しています。
世界経済のネタ帳さんで石炭価格の推移を見れますが、2011年から2015年まで下落したあと2016年後半に急騰しています。
発電量の数字もあったのでグラフにしてみます。おおむね売上の推移と似てますが、2011年以降は発電量は横ばいですが売上は微減です。
配当の推移です。
配当性向は最近は5割程度です。EPSが安定していないので配当も年によって大きく変わってます。
2016年の中間決算は、売上高-19%の減収、税前利益-31%の減益、発電量-8.6%の減少でした。
会社は売上減少の理由として、中国経済のスローダウン、火力発電への逆風(新電力優遇や大雨や省を超えた電気の融通など)を挙げてます。華能は火力発電の会社なので厳しい環境なのかもしれません。
さらに石炭価格の高騰は2016年後半からなので、それを考えると通期の決算はちょっと不安が残ります。
ちなみにもし通期の配当が3割減ると仮定すると、配当利回りは7.3%(株価5.08香港ドル、人民元/香港ドルレート1.12で計算)、PERは8.5倍となります。
参考までに Seeking Alpha では以下の記事が見つかりました。
Huaneng Power International: 12% Yield And Capital Appreciation
Growing Margins, Capacity Make Huaneng Power A Value And Income Play
・売上が伸びていないのは中国政府が主導する電力価格の下落のため。
・電力価格の下落よりも燃料費低下の影響が大きいため利益は大きく伸びた。
・華能はキャパシティを2011年の54,402MWから2015年の82,381MWに大きく伸ばしている。
・石炭発電の割合が高く90%以上。
・中国の最も発展した地域に位置する。
感想
現在の低バリュエーションは、石炭価格の上昇、火力発電への逆風、すでに高い利益率から今後の業績悪化が心配されているのだと思います。
もし2012年レベルまで業績が落ちると、配当利回りも5%程度と極端な割安感はなくなってしまいます。ここ数年は発電量も増えてないので成長株としても微妙です。
逆に石炭価格がそこまで上がらず業績・配当が維持できるのであればすごく割安感があると思います。
現状は16年後半の燃料費上昇を反映した決算がまだ出てきてないので投資するには不安が残るかなと感じました。