Your Complete Guide to Factor-Based Investing

 近年スマートベータとして流行しているファクター投資を解説した本です。

Your Complete Guide to Factor-Based Investing: The Way Smart Money Invests Today (English Edition)

Your Complete Guide to Factor-Based Investing: The Way Smart Money Invests Today (English Edition)

 

著者らはさまざまな投資ファクターのなかから真に価値のあるファクターを選り分けるために以下の5つの基準を設定しています。

・Persistent ・・・ 長期間にわたって機能している。

・Pervasive ・・・ 様々な国々、地域、セクター、アセットクラスで機能している。

・Robust ・・・ 様々な基準で機能している(バリューファクターであれば、PBRの他にPERやPCFRなどでも機能している)。

・Investable ・・・ 紙の上だけでなく、取引コストなどを含めてもリターンを出せる。

・Intuitive ・・・ リスクベースまたは行動ファイナンスベースの合理的な説明ができる。

これらの基準をクリアするファクターとして、マーケットベータ、サイズ、バリュー、モメンタム、プロフィタビリティ/クオリティ、ターム、キャリーを紹介しています。また、付録では、配当、低ボラティリティ、デフォルト、タイムシリーズモメンタムも取り上げています。

各ファクターの解説以外には、ファクター発表後のリターンの変化やファクターの分散効果といった話が書かれています。

 

解説はほぼすべてが学術的な研究に基づいており詳細かつ信頼感がありました。また、数式は出てこないので数字が苦手な人も読むことができます。難しい数式のある英語の論文を大量に読むのは難しいので、こういったまとめ本があるのはとても助かります。

難点を挙げるなら、図表が少なく分量が多いため英語のハードルが高かったのと、アカデミックな内容に偏っているため実際の投資家の求めるものとややズレがある(ほぼすべてがロングショート前提でロングーオンリーではない)のかなという点です。

 

なお、著者のひとりである Larry Swedroe は ETF.comで記事を連載しています。本の方が体系的ではありますが、個々の記事内容は本と被っているのでファクター投資に興味のある人はまずそちらを読んでみるのが良いと思います。