持ち株&気になる銘柄の決算チェック その2

1782 常磐建設

福島県が地盤の建設業社。

3Qまで+40%増収、+61%経常増益。3Q単体も+94%経常増益と好調です。4Qは-12%減収、-75%経常減益で予想を達成できます。

決算は好調ですが、繰越残高の前年比が2Qの+16%から-3%に減っているところがやや不安要素でしょうか。

予想PER6.3倍。経常利益ベース(税率30%)5.8倍。

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持ち株&気になる銘柄の決算チェック その1

久しぶりに株価が大きく下がっています。ポートフォリオを見直す良い機会なので、持ち株や注目している会社の決算数字をチェックしてみます。

 

 1413 桧家ホールディングス

注文住宅の会社。不動産販売や断熱材も手掛けています。

前期実績は+13%増収、+2%経常増益で予想を少し下振れました。今期は+12%増収、+8%経常増益の予想。期末在庫は+19%の増加。

決算はやや微妙で予想PERも8.6倍とそこまで低くはありませんが、配当利回りは3.7%あります。

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リチウム銘柄ニュース

ここ最近に発表されたリチウム銘柄関連のニュースです。

 

SQM

1月18日にCorfo(チリの産業振興公社)との新たなライセンス契約に合意しました。

衝撃的だったのが現在の年間生産量50~60ktLCEを2025年までに216ktLCEまで拡大できるという点です。2016年の世界のリチウム供給量が170ktLCEくらいなのですごいインパクトです。これを受けて供給過剰懸念からリチウム関連株が激しく売られています。

このニュースについての解説記事をいくつか読んだかぎりでは、まずは短期的(2~3年くらい?)には影響はないという意見が多いです。増産するには新たにプラントを作る必要がありますし、塩湖からリチウムを作るのには1年以上の時間がかかるためです。

一方で中長期的にどうなるかというと意見が分かれそうです。将来的なリチウム需要は非常に大きいのでこれくらいの供給増加は吸収できるという人もいますが、今後のリチウム生産は既存の企業の増産によって賄われ新興企業には厳しくなるという人もいます。

どの意見が正しいのかはわかりませんが、今後のリチウム株についてはリチウム価格次第だと思います。供給過剰懸念でリチウム株が売られるのは去年もありましたが、リチウム価格がじりじりと上げたため株も秋からラリーしました。

今年は新たに Tawana Resource、Altura Mining、Pilbara Minerals が生産を開始する予定です。これによってリチウム価格がどうなるかが注目されると思います。

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2017年の感想と2018年の投資スタンス

2017年のリターン(配当込み)は、MSCI先進国+23%、MSCIアメリカ+22%、MSCI日本+20%でした。円ベースだと先進国+19%、アメリカ+18%、日本+20%になります。

今年は株式のボラティリティが非常に低く、大きな下落がほとんどありませんでした。これほど変動が少ないのは初めての経験です。ゆるやかに上昇が続くという理想的な相場環境でした。

 

昨年初めの投資スタンスはこんな感じでした。

日米のバリューエーションには割高感があって怖いところですが、アメリカ経済が景気後退に入る兆候はありませんし、株価も長期トレンドラインの上にいるのでこれが割れるまでは株式ポジションを維持していこうと思います。

そんなに悪くない判断ですが、ここまで好調な株式市場は想像しておらず、後付けで振り返るともっと積極的にリスクを取っても良かったです。

 

今年の投資スタンスですが去年と同じです。

足元の経済はここ10年で最も良い環境にあるので、日米株の割高なCAPEレシオは問題視されず、20倍以下の予想PERの方で評価されるのではと考えます。

大幅下落は予想せず、過去の平均である+5~6%の実質リターンを期待して株式ポジションを維持していくスタンスです。

ただ、株価が長期移動平均のトレンドを割り込むことがあったらポジションの縮小も考えるかもしれません。ダマシによって成績は落ちるかもしれませんが、長らく上昇相場が続いているので安全性重視でいきたいです。

 

各国株価のトレンドとバリュエーション 2017年12月末

12月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。

 

・株価データはMSCI、CAPEやPERはStarCapital、為替はIMFみずほ銀行より取得しています。

・株価チャートは2007年末を100として作成しています。月足・配当込み・現地通貨ベースです。

・取得したCAPE・PER・配当利回りは9月末の数字なので、MSCIの9-12月の騰落率で調整しています。

 

先進国と新興国

第4四半期も株価は堅調でした。先進国と新興国を比べると、引き続き新興国の優位が続いています。

直近1年間の利益は先進国+23%、新興国+38%と大幅なプラスリターンです。円ベースでも先進国+19%、新興国+33%です。

バリュエーションを見ると、新興国のCAPEレシオやPERは17倍前後で先進国に比べて低い数値です。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
全世界 24.6 20.5 2.3% 5.8% 8.0% 24.6% 20.6%
先進国 25.7 21.3 2.3% 5.6% 7.8% 23.1% 19.1%
新興国 17.7 16.6 2.7% 7.5% 9.7% 37.8% 33.3%
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リスク資産と無リスク資産の比率

自分の資産のうちリスク資産・無リスク資産の割合をどれくらいにするかというのはアセットアロケーションの最大の問題でしょう。

この問題には明確な回答はなく、最終的には個人の好みになりそうです。

ただ、それだと話が終わりになってしまうので、今回は過去のデータを使っていくつか代表的なアセットアロケーションの成績を見てみます。

 

データについて

・株式はMSCIのサイトよりダウンロードしました。日本株はMSCI JAPAN、世界株はAWCI、先進国はWORLDです。

・MSCI指数はいずれも配当再投資のGROSS指数で、通貨はJAPANがLOCAL、AWCIとWORLDはUSDをダウンロードしました。

・AWCIとWORLDを使うときは日銀からダウンロードした為替レート(月末値)で円換算しています。

・債券のデータは日興債券パフォーマンスインデックスです。総合指数と国債(長期)指数を使っています。

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日本株の規模効果と割安株効果

Russell/Nomura 日本株インデックスのデータがダウンロードできたので規模効果と割安株効果を見てみる。

 

1980年~2017年

サイズ別に見ると大型株よりも中・小型株の方がリターンが良い。

ただし、2000年ごろまではむしろ大型株の方がリターンが良く、一貫した傾向とは言えない。

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Russell/Nomuraのマイクロキャップは99年12月からのデータしかないので、データの揃っている日興スタイルインデックスのサイズ別リターンを見てみる。

こちらは大型・中型・小型株に比べてマイクロキャップのリターンが際立っている。

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ファクター投資の米国市場での有効性

米国株の投資ファクターのリターンは、Kenneth French 教授のHP にて公開されている。

今回はこのデータを使ってファクター投資の有効性を見てみる。

 

ファクターリターン

まずは全体像を見るためにサイズ、バリュー、収益性、投資、モメンタムの5ファクターの累積リターンをグラフにした。

期間はデータの揃っている1964年~2016年。いずれもロング・ショートの超過リターン。

グラフを見るとモメンタム(WML)のリターンが際立っている。同時に2009年の暴落も目を引く。株価底打ちからのリバーサル局面でモメンタムファクターのショートサイドに莫大な損失が出てしまうためこのようなことが起こる。

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※SMB(サイズ)、HML(バリュー)、RMW(収益性)、CMA(投資)、WML(モメンタム)

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