鉱石系のリチウム銘柄

鉱石系のリチウム銘柄についてのメモです。数が多いのでまずは鉱石系の特徴と生産を開始している会社について書きます。

 

鉱石系の特徴

一般的には、鉱石からのリチウム生産は初期投資が小さく、生産までの時間が短い一方で生産コストが高いとされます。

ただ、水酸化リチウムに関しては必ずしも鉱石系の生産コストが高くなるわけではないという話もあります(リチウム素材としては炭酸リチウムや水酸化リチウムが一般的です)。これはかん水から水酸化リチウムを生産するには炭酸リチウムを経る必要があるのに対して、鉱石からは直接水酸化リチウムが生産できるという理由のようです。

下は鉱石系のネマスカリチウムのプレゼン資料に掲載されていたグラフですが、会社は水酸化リチウムを最低コストで生産できると主張しています。※現時点で実際に生産ができているわけではありません。

f:id:sapa21:20180620195229p:plain 続きを読む

5707 東邦亜鉛

PERがかなり低いうえ亜鉛や鉛価格が上昇していたのでほとんど調べず買ったのですが、株価は右下がりで今期の業績予想も減益でした。

資源価格は堅調なのになぜだろうと思ったので、遅まきながら少し調べてみました。

 

業績

2017年に大きく利益が伸びています。18年実績も増収増益でしたが、今期は減益予想です。

(億円)  10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3 17/3 18/3 19/3
売上高 836 1,036 1,059 1,037 1,186 1,211 1,141 1,140 1,336 1,370
経常利益 89 87 29 26 44 56 10 125 132 108
純利益 47 75 10 -52 17 27 -162 88 104 93


セグメント別の業績です。製錬、資源、電子材料、環境・リサイクル、その他の5つのセグメントがあります。

・売上高

 (億円) 10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3 17/3 18/3
製錬 613 729 761 710 801 813 779 879 957
資源   37 61 110 141 189 182 133 257
電子材料 64 81 70 64 68 70 62 59 62
環境・リサイクル 42 48 29 43 49 60 47 45 54
その他 115 140 135 107 127 79 73 106 120

 

・利益

 (億円) 10/3 11/3 12/3 13/3 14/3 15/3 16/3 17/3 18/3
製錬 60 57 11 15 43 51 18 83 33
資源   -3 -8 -34 -17 -16 -24 20 74
電子材料 4 10 9 8 10 11 7 6 6
環境・リサイクル 8 10 3 7 10 17 8 14 20
その他 13 15 15 11 11 7 8 8 9
調整 -2 -4 -1 -1 0 -1 -2 -4 -10
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持ち株チェック アメリカ株と中国株

保有中のアメリカ株と中国株の雑感です。

外国株は情報の面で小型株が買いにくいので、自分の知っている銘柄を感覚的に売買しているという感じです。

 

Facebook(FB)

1Qは売上高49%増収、純益63%の増益と好調でした。

YahooFinaceのアナリスト予想EPSを使ったPERは、今期PER24倍、来期PER20倍程度です。

株価は急落から回復したものの割高感はないかなと思います。成長率も高いですし、下手な株を持っているよりは信頼感があります。

 

Albemarle(ALB)

リチウムの過剰供給懸念で低迷中です。

1Qは売上14%増収、営業利益50%増益、調整EBITDA18%増益でした。リチウムセグメントの利益は全体の48%を占めます。

YahooFinaceのアナリスト予想EPSを使ったPERは、今期PER18倍、来期PER16倍程度です。

現在のリチウム生産キャパシティは65kt(LCE)ですが、2021年に165kt、Wave2で265ktまで増やす計画を出しています。

 

Tesla(TSLA)

モデル3の生産で苦戦しており、キャッシュが減少していることで売られています。売られているといっても株価は底堅くて暴落とまではいきません。倒産するかもと言う人もいますが、必要であれば普通に資金調達できる水準でしょう。

足元ではモデル3の生産台数は伸びてきている様子です。会社は週6千台を目指すとしています。1Qの販売台数は3万台でした。

時価総額は5兆円を超えています(日産が4兆円)。テスラの販売台数は週6千台の生産が実現しても年間30万台前後なので普通に考えれば正当化しにくい株価だと思います。今後EVか伸びていき、シェア上位に入り、かつ家庭用の太陽光発電と蓄電池も普及していけば、と夢を持って買う銘柄かなと思います。

 

BYD(1311.HK)

中国の大手電気自動車メーカーです。

EV Sales によると、2018年4月までの中国国内シェアは24%でトップ、世界シェアも10%でトップです。

EV Sales: China April 2018 (Updated)

EV Sales: Global Top 10 April 2018

2017年の通期決算は2%の増収・20%の減益でした。

セグメント別の売上高は、自動車関連が53%、携帯部品・組み立てが39%、バッテリーと太陽光が8%という内訳です。新電力自動車の売上は全体の38%を占めます。

時価総額は2兆円くらいで、実績PERは29倍です。

なお、中国の電気自動車への補助金は2017年に20%カットされています。2019年には40%、2021年には全廃されるとのことです。

一方でNEV規制の開始が予定されており、2019年に10%、20年に12%の販売を義務付けるという話です。

 

Bidu(BIDU)

中国の検索最大手。3大ネット企業の一角ですが、近年はテンセントとアリババに大きく引き離されています。

業績は医療広告スキャンダルの影響から立ち直りつつあり、3四半期連続で20~30%の売上増を確保しています。営業利益もピークを更新しました。ただ、営業利益率は20%弱でかつての40~50%からするとまだ低い数字です。

YahooFinanceのアナリスト予想EPSを使った今期PERは24倍です。

本業以外では、AI、音声アシスタント、自動運転といった分野に投資していますが、全体的にアリババやテンセントのようにうまくいっていない感じです。これまでもフードデリバリーを売却したり、ストリーミングサービスのiQiyiのスピンオフしたりしています。

決算後にAIの分野で名高いCOOが辞任したことで株価が下げました。

 

Sogou(SOGO)

テンセントが45%を持つ検索大手です。資料によって違いますがシェアは2~4番手といった感じです。

会社内容はこちらの方が詳しく書かれています。

Sogou(捜狗)【SOGO】バイドゥからシェアを奪う中国2位の検索エンジン

2017年通期は37%増収・31%営業増益で、営業利益率は10%でした。

2018年1Qは53%増収・16%営業増益で、営業利益率は5.7%となっています。売上高はバイドゥの8%弱です。

仮に2018年の売上が50%増えて、営業利益率が20%として、法人税率が25%と皮算用するとPERは18倍になります。

ただ、バイドゥのシェアは6~7割で安定しているので、この会社がシェアを伸ばせるかはよくわかりません。 

 

JD(JD)

EC市場でアリババに次いで2位の会社です。株主にテンセントとウォルマートがいます。

18年1Qの売上成長率は33%でした。年間成長率は58%→43%→40%と緩やかに低下しています。

過去4四半期の売上560億ドルに対して時価総額は520億ドルでPSRは1倍を割れています。過去最低水準とのことです。

売上の伸びが徐々に減速気味なのが不安点でしょうか。 

 

かん水系のリチウム銘柄

リチウムはかん水と鉱石から生産されていますが、今回はかん水系のリチウム銘柄を紹介します。大手3社以外で少なくとも資源量が発表されている銘柄を拾いました。リチウムアメリカズのほかはオーストラリアかカナダ上場になります。

 

かん水系の特徴

一般的にはかん水からのリチウム生産は初期投資が大きく生産までに時間がかかる一方で生産コストは低くなるとされます。

例えばオロコブレの場合、開発開始が2008年、資源量の発表とPEA(Preliminary Economic Assessment )が2009年、DFS(Definitive Feasibility Study)が2011年、2012年に豊田通商とのジョイントベンチャー締結、2015年に初の売上を計上しますが2018年現在もフル生産には至っていません。長い道のりです。

コストカーブは以下のように鉱石系よりも下になっています。

f:id:sapa21:20180529082244p:plain

 

プロジェクト一覧

以下は各社のHPから拾ったプロジェクトの資源量や年間生産量の数字です。

f:id:sapa21:20180529090959p:plain

プロジェクトをざっくり見ると、オロコブレの Olaroz、リチウムアメリカズの Cauchari-Olaroz、ギャラクシーリソースズの Sal de Vida の3つは資源量・グレード共に申し分ないです。

それ以外のプロジェクトの資源量はどれも上の3プロジェクトの半分以下です。ただし、ネオリチウムの3Qとリチウムパワーインターナショナルの Maricunga のグレードは非常に高いです。

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各国株価のトレンドとバリュエーション 2018年3月末

3月末の先進国・新興国の株価指数のトレンドとバリュエーションのチェックです。

 

・株価データはMSCI、CAPEやPERはStarCapital、為替はIMFみずほ銀行より取得しています。

・株価チャートは2007年末を100として作成しています。月足・配当込み・現地通貨ベースです。

・取得したCAPE・PER・配当利回りは2月末の数字なので、MSCIの2-3月の騰落率で調整しています。

 

先進国と新興国

第1四半期の株価は先進国がやや下げ、新興国がやや上げています。ただ、大きく円高に振れたため、円ベースでは先進国-7.2%、新興国-4.8%というマイナスリターンです。

直近1年間のリターンは先進国+14%に対して、新興国+25%と新興国優位が続いています。円ベースだと先進国+7%、新興国+18%です。

バリュエーションを見ると、新興国のCAPEレシオやPERは先進国に比べて割安です。ただ、先進国もPERは18.5倍と20倍以下に下がっています。

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  CAPE PER 配当 3か月損益 円ベース 1年損益 円ベース
全世界 23.7 17.9 2.4% -0.8% -6.9% 15.4% 8.3%
先進国 24.8 18.5 2.5% -1.2% -7.2% 14.2% 7.2%
新興国 17.3 15.1 3.0% 1.5% -4.8% 25.4% 17.6%
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リーマンショック後の割安株のバリュエーション

リーマンショック後(2008年10月12日付)のウォッチ銘柄の画像が以前のブログに残っていたので記録として表にしてみました。

いまとなっては昔の話ですが超低PERの割安株がゴロゴロしています。ゲンキーやセリアがPER2.5倍(経常利益ベースの今期予想)といった数字です。両者ともこの後に下方修正しているので表面の数字どおりに受け取れませんが。

表に掲載した会社からドラッグストアを抜き出すとゲンキー、サッポロドラッグ、薬王堂がこの後に下方修正を出しており、一方でクスリのアオキ、コスモス薬品、クリエイトSDは上振れて着地しました。クスリのアオキはPER6倍、コスモス薬品とクリエイトSDはPER7~8倍です。

PER20倍超えが普通になっている現在の内需株の基準からすると格安ですが、当時はセンチメントが最悪だったので売上成長率が10~15%でPER6~8倍の小型株ではフェアバリューという感じだったかもしれません。

こうして振り返るとPERの数字というのは当てにならないなと思います。内需株のPERが切り上がっていく段階で僕は早々と売ってしまったのですが、時代に合わせて基準を変えた方がいいのかなと思います。

コード 会社 時価総額 経常
PER
純益
PER
配当
利回り
売上
増収率
経常
増益率
6670 MCJ 3,072 1.8 1.9 5.3% 2% 2%
2751 テンポスバスターズ 869 2.0 2.5 3.8% 10% 18%
3094 スーパーバリュー 1,155 2.1 2.0 2.7% 4% 8%
3331 雑貨屋ブルドッグ 2,144 2.4 4.1 6.0% -9% -7%
2772 ゲンキー 1,829 2.4 3.0 3.3% 13% 13%
2782 セリア 3,299 2.5 2.9 5.7% 7% 2%
2128 ノバレーゼ 2,189 2.8 2.9 1.9% 22% 14%
2786 サッポロドラッグ 1,441 2.9 3.1 4.6% 14% 2%
2690 ソフマップ 2,462 3.2 1.8 0.0% 7% 101%
2366 レオックジャパン 1,608 3.2 10.9 7.0% 7% 8%
2735 ワッツ 1,655 3.3 4.1 3.8% 29% 23%
7605 フジ・コーポ 1,050 3.3 3.6 5.5% 5% 4%
2154 トラストワークス 2,036 3.4 2.1 0.0% 32% 47%
3344 ワンダーコーポ 4,053 3.5 5.6 3.3% 1% 2%
2796 ファーマライズ 809 3.6 5.2 5.3% 8% 19%
9791 ビケンテクノ 2,470 3.7 4.9 6.3% 6% -16%
2408 KG情報 1,960 3.7 3.8 3.8% 16% 13%
2418 ベストブライダル 11,424 4.0 4.4 2.1% 13% 15%
3079 ディーブイエックス 1,064 4.3 4.3 4.1% 14% 7%
3607 クラウディア 4,118 4.4 4.1 6.2% 7% 6%
7627 なか卯 3,510 4.4 5.4 4.0% 20% 12%
4350 メディカルシステムネット 2,810 4.7 6.9 1.5% 5% 6%
2762 三光マーケティングフーズ 7,035 4.7 5.9 3.3% 4% 3%
4290 プレステージ・インター 6,061 4.8 4.2 2.5% 13% 26%
7646 PLANT 1,363 4.9 3.3 5.0% 2% 6%
3091 ブロンコビリー 3,809 4.9 4.7 3.5% 1% 6%
2792 ハニーズ 19,502 4.9 5.0 5.0% 11% -5%
3354 チェルト 10,791 5.1 4.8 6.3% 7% 6%
3362 チムニー 9,610 5.1 5.7 1.7% 16% 13%
3376 オンリー 2,401 5.1 5.2 4.4% 4% 2%
2668 タビオ 5,724 5.3 5.5 3.6% 5% 8%
4724 シチエ 5,042 5.3 5.5 5.5% -2% -17%
2120 ネクスト 2,778 5.6 7.1 0.0% 27% -28%
3385 薬王堂 1,909 5.7 5.6 5.2% 11% -44%
3398 クスリのアオキ 5,432 5.8 5.9 2.3% 13% 3%
2400 メッセージ 13,815 5.9 5.9 4.4% 10% 15%
2167 ウェブマネー 2,206 6.0 4.9 2.7% 26% 16%
3060 マガシーク 1,441 6.1 5.8 5.2% 29% -6%
2144 やまねメディカル 2,606 6.1 6.1 4.3% 25% 25%
2769 ヴィレッジヴァンガード 10,771 6.1 6.1 0.5% 17% 6%
2674 ハードオフ 4,577 6.2 6.1 6.1% 9% 11%
2398 ツクイ 4,678 6.3 7.6 2.1% 24% 13%
4298 プロトコーポ 18,008 6.5 6.0 2.9% 17% 59%
2485 ティア 1,572 6.8 6.8 2.9% 10% 27%
3349 コスモス薬品 18,100 7.0 8.9 1.1% 15% 13%
2794 クリエイトSD 32,448 7.1 7.4 2.7% 11% 6%

※PER、増収率、経常増益率は今期予想ベースです。

※個人的に作っていたものなので数字の正確性は保証できません。

 

リチウムの過剰供給懸念について

SQMとCorfoのライセンス契約延長のニュースが出て以降にリチウム株が激しく売られています。

2月の後半にやや反発したものの、その後にモルガンスタンレーがリチウム価格は2025年までに45%と下がるとのレポートを出したことからリチウム株は再び大きく売られました。

このリチウムの供給過剰問題についてはたびたび指摘されているのですが、実際のところ需給はどうなっているのかが知りたかったので上場各社(中国系を除く)の生産計画を表にしてみました。

なお、最初に断っておくと数字はかなり不完全な部分が多いです。詳細は長くなるので一番下に書いておきます。

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リセッションはいつ起きるのか?

株式市場は落ち着きを取り戻していますね。

株価を下支えしているのは実体経済の強さだと思います。足元の景気はリーマンショック後で最も良い状態で、企業収益も好調なことからS&P500の予想PERは20倍を切っています。このように先行きが良い状況だと一時的に株価が調整してもそこから一方的に下げ続けるのはなかなか難しいのだと思います。

もちろん景気と株価の関係は完全ではなく、ブラックマンデーのようにリセッションを伴わない暴落もありますし、一方でリセッションが起きても株価はそれほど下がらないこともあります。しかし、株価が40%も50%も暴落するときは実体経済も悪化していることが多いです。よって次の下落相場を予想するにはリセッションがいつ起きるのかを考える必要があると思います。

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アルベマールとSQMの決算

リチウム大手2社の決算が出ました。

 

アルベマール

売上+15%の増収、調整EBITDA+17%の増益でした。米国の税制改正の影響で純利益は大幅減益となっています。

2018年のガイダンスは売上3.2~3.4十億ドル、調整EBITDA955~1,005百万ドル、希薄化EPS5~5.3ドルです。

単純計算の予想PERは18~19倍になりますが、EPSにはポリオレフィン関連ビジネスの売却が入るとのことです。

 (百万ドル) 2016 2017
売上 2,677 3,071
営業利益 574 587
調整EBITDA 758 885
税前利益 515 446
純利益 643 54
希薄化EPS 3.90 0.49
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